Gainsbourg+ロールスロイス [フランス]
残念ながら数年前に廃刊となってしまった雑誌「鳩よ!」の
ゲーンズブール+バーキン特集を読んでいて、
久々にゲーンズブールの詞とかインタビューなんかを読んだのですが、
やっぱりしびれますね。
-以前、「持っているロールスロイスの灰皿がいっぱいになったら、ロールスを買い換える」と
あなたが豪語している記事を読んだのですが、(中略)?
-確かにロールスは持っているが、まだ2、3回しか乗っていないから灰皿はいっぱいじゃない。
私は平凡の下品さが嫌いなのだ。
車を買うなら、ルノーとかシトロエンとかメルセデスとかでなく、ロールスだけだと
ずっと思っていた。しかも、新車ではなく古い型の。
新車のロールスなんてメルセデスと変わりないさ。
ロールスの灰皿が一杯になったらロールスを買い換える、だなんて
20m先のタバコ屋にタバコを買いに行くにもキャデラックで乗りつける、
と豪語した永ちゃんを上回る豪快ぶりですが、
ロールスといえば、"Melody Nelson" における "Melody" の
以下の詞。
あまりにも素晴らしいので
少し長いですが引用します。
ロールスの翼が鉄柱をかすめる
不覚にも道に迷った私が
わがロールスとともに行きついたところは
人里はなれた危険地帯
1920年製のシルヴァー・ゴーストは
その地帯を偵察行進する
ボンネットの上、ラジエーター・キャップ
軽やかな翼の銀のヴィーナスが斥候兵
ラジオの叫びがモーターの沈黙を包むが
傲慢にして尊大なる女神は
彼方を見つめながらも、心は上の空
私が歩道に寄りすぎていることも知らず
路地裏で行き止まりの駐車厳禁地帯
そんなことには無関心で
女神は私の26馬力の轡を噛んで離さぬ
闇の王女か呪われた大天使か
現代風なるアマゾニアか、彫師は英語で
こう名づけた:スピリット・オブ・エクスタシー
ロールスのコントロールを失う前に
愚想を楽しんでいた私はゆっくりと走る
私の車は道をそれて、激しい衝撃が走る
私は愚想から呼び戻されて、クソッ!
目の前では自転車の車輪が
空回りし続けているのが見えた
まるで倒れた人形のように
白いズロースの上にスカートがめくれる
「君は何という名前かね?」
「メロディ」
「メロディ、それから何ていう?」
「メロディ・ネルソン」
メロディ・ネルソンの髪は赤かった
それは彼らの自然な色だった
これがポピュラー・ミュージックの歌詞であるとは
一読して俄かには信じがたい
あまりにもクールで
シャープなイメージに満ちた素晴らしい詞。
2009-11-16 21:22
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