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心無クシテ悪ヲ為ス [奇想・妄想]

上村松園_焔.jpg



最近読んだ、矢作直樹氏の『人は死なない』という本は、
現役の医師によって書かれたものなので、例えば霊感が強い人とか、
それ系のライターが書いたものなどとは一線を画すもので、
内容的には同じようなものでも、そのリアリティとか、重みが違う気がする。


ていうかリアルすぎて、私は読んでいて怖くなった。

例えば、マンションから飛び降りた患者が救急で運ばれてきたときの話。
彼女は、自分の意思で飛び降りたのではなく、なにものかに体をのっとられて、
飛び降りてしまった、と言ったという。
要するに、霊の憑依だということ。

なにを馬鹿な、という話だけれど、その証拠に、運ばれてきたときの彼女は、
全身を打って瀕死の重傷であるにもかかわらず、その意識が極めてはっきりしていたという。

想像しただけでも、恐ろしい。
私は今までいろんな恐い話を聞いたけれども、ここまでリアルに怖さを感じたのは
あまりないと思う。

また、彼女に対する治療と、その経過がこと細かに書かれていたこともかなり恐かった。
瀕死の重症患者が運び込まれる救急医療の現場というのは、
それだけでもかなり恐い。




人は死なない-ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索-

人は死なない-ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索-

  • 作者: 矢作 直樹
  • 出版社/メーカー: バジリコ
  • 発売日: 2011/08/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




あまりにも興味深かったので、矢作氏の著作をもっと読むことにして
まず一条真也氏との対談、『命には続きがある』を読んでいたところ、
半分くらいは 『人は死なない』に書かれていたことで、ちょっとがっかりだったんだけど

飛び込み自殺の一部は、何らかの霊に憑依されていたことによるものである可能性がある、
という発言にはびっくりした。

また、犯罪者の場合、いわゆる心神喪失状態、というのがあるけれども、
これも、憑依の可能性がある、とのこと。

もちろん、現代の法律で、容疑者はこのとき憑依されていたので無罪、
なんていう判決はありえないけれど
(矢作氏は、法制度について、「いずれは憑依を問題にしないといけないでしょう」、
と言ってるけれども、そんな時代が来るとは思えないけれど。。)

これにはうならされた。考えたこともなかったから。


「憑依」というのは、とても怖いことなんだ、と初めて気づいた。

私は今まで、憑依については、いわゆる霊能力者に霊が降りてきた状態、
くらいにしか認識しておらず、あまり気にしていなかったけれど。

霊を見るのも、たぶん怖いことだと思うけれど
(私はUFOは見たことがあるけれど、幽霊は見たことが無い。霊感がないんだろうな)
霊に体をのっとられて、思うがままに操られてしまう、というのは
想像しただけで、たぶんこれ以上ないくらい、恐ろしいことではないだろうか。


などということを考えながら、つい先日入手した『聊斎志異』をちょっと読み始めたところ
「考城隍」に、以下のような文章があって驚いた。


と、俄かに試験の題を書いた紙がひらひらと飛んできた。見ると、「一人二人、有心無心」という八字が書いてあった。そこで二人はそれぞれ、その題によって 文章を作って殿上へさしだした。
宋公の書いた文章の中には「心有りて善を為す、善と雖も賞せず。心無くして悪を為す、悪と雖も罰せず」という句があった。殿上にいた諸神はそれを見て褒めあった。



まさにシンクロニシティ。。

それはそうと、
心有りて善を為す、というのは、善と雖も賞せられないわけだから、
これは、なにか含みがあっての善であり、つまり偽善の類いかと。

しかし、驚いたのは、「心無くして悪を為す、悪と雖も罰せず」、ということ。
これは、いわゆる心神喪失状態にある人間の犯した犯罪は罰しない、
ということだろうか。

聊斎志異が書かれたのは1700年前後だけれど、
その時代の中国にも、心神喪失状態で人を殺したりした人がいて、
そういった場合は罰しない、と当時の刑法にもあったのだろうか。

それとも、心神喪失状態は、なにかにとり憑かれた状態だから仕方が無い、
とみなされていたのだろうか。

ていうか、そもそも心神喪失状態って、その定義は?
これはかなり曖昧だった。 反省。

でもよくみると、どうして「心神」なのだろう。
「心」を喪失するのはわかるけど、なぜ「神」も??
たぶん「心神」なんて日本語はない。

ここにはいったい何が含まれているのだろう。

では逆に、「心神」をきちんともっている、つまり善悪の判断ができる理性とは、
いったい何だろう。

そして「責任能力」とは。


うーん なんかあらためて、いろいろと考えさせられる。

ところで、太古の昔には、人間は理性どころか、意識すらなかったと言う人もいる。


神々の沈黙―意識の誕生と文明の興亡

神々の沈黙―意識の誕生と文明の興亡

  • 作者: ジュリアン ジェインズ
  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • 発売日: 2005/04
  • メディア: 単行本



これはこれで非常に面白い仮説。
この本は、上の『命には続きがある』で触れられていて、とても興味をひかれたため、
先日即買いしたもので、これから読みます。


それにしても『聊斎志異』はあまりにも面白い。
『今昔物語』みたいなものかと思っていたけど、そういった説教臭は殆どなく、
純粋に奇想文学・幻想文学として、あまりにもクオリティが高い。

澁澤がよくとりあげていたのも理解できる。


ていうか、部屋の中に未読本が山積み。最近、本を買いすぎた。。






聊斎志異〈上〉 (岩波文庫)

聊斎志異〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者: 蒲 松齢
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1997/01/16
  • メディア: 文庫



完訳 聊斎志異〈第1巻〉 (角川文庫)

完訳 聊斎志異〈第1巻〉 (角川文庫)

  • 作者: 蒲 松齢
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1989/06/05
  • メディア: 文庫




命には続きがある 肉体の死、そして永遠に生きる魂のこと

命には続きがある 肉体の死、そして永遠に生きる魂のこと

  • 作者: 一条 真也
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2013/06/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




責任能力の現在―法と精神医学の交錯

責任能力の現在―法と精神医学の交錯

  • 作者: 中谷 陽二
  • 出版社/メーカー: 金剛出版
  • 発売日: 2009/06/10
  • メディア: 単行本



刑事責任能力の本質とその判断

刑事責任能力の本質とその判断

  • 作者: 安田 拓人
  • 出版社/メーカー: 弘文堂
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 単行本




上村松園、焔、
1918、東京国立博物館


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